Superstar 解説

アルテ音楽研究所

2013年09月02日 13:13

今回は、名曲Superstarのオーケストレーションについて語ってみたいと思います。

※前回までの解説が専門的な用語が多いという指摘もありましたので、なるべくわかりやすいように書いてみます。
http://www.youtube.com/watch?v=SJmmaIGiGBg


イントロは黙々と続くドラムの8ビートの中で、心の中の溢れる想いがドワッと出てくるオーボエの物悲しい音色が印象的です。

そう!

このメロディはカレンが歌い始めるAメロのメロディでもあるんですね。


そして、かすかにハープが聞こえたかと思うと、ブレイクしてホルンの遠吠えがまるで山の奥から鳴っているように聞こえてきます。

Aメロはカレンがリズム感を出さずに、もたれるように歌います。
しかし、ドラムはまるで時計の針のように淡々と8ビートを刻み、
ベースは存在感を程よく出して演奏していますが、
2回目のAメロ前でブレイクし、低音で深い悲しみを表現しています。

その後、Aメロ2回目からは包み込むようなストリングスが、そっと肩にかけてくれたカーディガンのような優しさがカレンを包み込みます。

サビのピックアップでストリングスが入り、切なさを華やかに表現し、
また、サビからはトランペットを中心にした金管郡(ファンファーレ的なトランペットやベースラインをなぞったトロンボーン)・タンバリンの16ビートが
「私はこんなに想っているのに…」という情景を表現しています。

ふたたび間奏でイントロと同じフレーズが使われていますが、こちらはオーボエの陰を表しているかのようにピアノが追走します。

4回目のAメロでは、ドワッとコーラスが入り、さきほどのストリングにも増してカレンを包むように温かな世界感がやってきます。

そしてサビ、すぐに畳み込むようにもう一度サビ。

エンディングは、歌終わりで一気に終わり、かすかにアルペジオが残るだけ…。




個人的に注目したいのは、カレンの歌に対して様々に表情を変えているドラムの使い方です。
特に、フィルイン(フレーズとフレーズの合間に出てくる短いソロ)の空間力がなんとも言えない虚無感で、哀愁の漂い方が好きです。


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